
「海外FX業者でFXトレードをするリスクには何がありますか?」
海外FX業者でFXトレードをすることには、国内FX業者でFXトレードをするのとは違うリスクが存在します。今回は、海外FXトレードをはじめる前に知っておくべきリスクについて徹底的に解説します。
海外FXとは?
海外FXとは
外国にあるFX会社に口座開設してトレードをすること
を言います。
FXトレードというのは、為替を利用したトレードですので、日本国内のFX会社で米ドルを購入(米ドル/円にエントリー)しても、外国のFX会社で米ドルを購入(米ドル/円にエントリー)しても、基本的な為替相場は同じですので、同じサービスを受けることができるのです。
そのため、FXトレーダーには
- 国内FX業者でFXトレードをする
- 海外FX業者でFXトレードをする
という選択肢があるのです。

「でも、サービスが同じであれば、リスクも同じじゃないの?」

為替相場を利用して、通貨をレバレッジをかけて売買する(証拠金取引)という基本的なサービスは同じですが、国内FX業者と海外FX業者とでは、FX業者の規制の内容が変わってくるため、サービス形態が違うのです。
だからこそ、FXトレードで考慮しなければならないリスクも、国内FX業者と海外FX業者とでは、変わってきてしまうのです。
海外FXのリスク(国内FXにはないリスク)
1.海外FX業者の倒産リスク
FX業者が倒産してしまった場合に「自分が預けた投資資金はどうなるのか?」は、投資家にとって非常に重要なポイントとなります。
国内FX業者の場合
「金融商品取引法」という法律によって
FX業者は
投資家から預かったお金のうち、投資家に返却すべき額に相当する金銭について
- 自社が保有する資産とは明確に分けて管理すること(分別管理)
- その管理については、信託銀行等に信託すること(信託保全)
が求められています。
信託銀行は、国内FX業者が倒産したら、信託契約に基づき、顧客に資金を返金してくれるので
国内FX業者であれば、FX業者が倒産しても、投資資金は投資家に返金される
ことになります。
日本国内にも、金融庁への登録をしていない無登録業者がいて、無登録業者であれば、上記の信託保全を行っていないため、リスクがあるのですが、日本では大手企業がFX業者のほとんどであり、名前を知っている知っていないで判別できるので、ほぼ「信託保全は適用される」と考えていて問題はないのです。
海外FX業者の場合
海外FX業者の本社がある国の法律に依存します。
その国の法律が日本と同じように「信託保全」を条件としていれば、海外FX業者も「信託保全」を採用します。
その国の法律で「信託保全」を条件としていなければ、海外FX業者は「信託保全」を採用するかどうかは、自社の判断にゆだねられることになります。
「信託保全」を条件とするような法律がある国では、日本人へのFXサービスの提供を禁止している国が多く、結果として
海外FX業者の本社がある国の法律には「信託保全」が義務付けられていない国がほとんど
ということになります。
その結果として、海外FX業者は
- 自社の判断で、信託保全を採用する海外FX業者
- 投資家基金に加入して、上限付きで倒産時の投資家への返金を行う海外FX業者
- 倒産防止の保険に加入して、上限付きで倒産時の投資家への返金を行う海外FX業者
- 信託保全を採用しない海外FX業者
という形に別れているのです。
仮に、信託保全を採用していない海外FX業者を利用していて、かつ海外FX業者が倒産した際には、預託した投資資金が投資家に戻ってこないリスクがあるのです。
2.悪質な海外FX業者を利用してしまうリスク
海外FX業者にも
- 優良なFX業者
- 悪質なFX業者
があります。
悪質な海外FX業者を利用してしまうと・・・
- 口座が理由もなく、凍結されてしまう
- 出金ができなくなる
- 出金が拒否される
- サポートに連絡しても連絡がつかなくなる
- サイト(マイページ)にもアクセスできなくなる
などのトラブルが発生してしまうリスクがあるのです。
日本国内のFX業者にも
- 優良なFX業者
- 悪質なFX業者
がありますが
日本の場合は、FX業者は、ほとんどが知名度がある大手企業(上場企業や上場企業のグループ会社)ですので、名前も知らない企業を使わない限りは「悪質なFX業者」を利用することはほとんどありません。
しかし、
海外FX業者の方は、情報が少なく、「悪質なFX業者」を利用してしまう可能性も高い
のです。
また、日本で悪質なFX業者によって被害に遭った場合は、弁護士や消費者センターなど被害を相談する場所があるのに対して、海外FX業者になってしまうと、被害を訴えても、連絡先もわからない、連絡ができないことも起こりうるのです。
「悪質なFX業者」を利用してしまうことが投資家にとっての海外FXの大きなリスクと言えます。
3.ハイレバレッジで損をしてしまうリスク
国内FX業者の場合、レバレッジは、個人投資家の場合「最大25倍」に制限されています。
海外FXの場合は、レバレッジ制限は「海外FX業者自身が決める」形になります。
結果として、海外FX業者のレバレッジは
- 最大レバレッジ:無制限
- 最大レバレッジ:5,000倍
- 最大レバレッジ:3,000倍
- 最大レバレッジ:1,000倍
- ・・・
というように、国内FX業者の最大レバレッジの何十倍のレバレッジでトレードできるようになっています。
それが海外FX業者の魅力でもあるのですが
レバレッジが大きければ大きいほど、狙いと逆方向に為替レートが動いた場合に、すぐに資金を失ってしまうリスクがあります。
レバレッジが大きい分、資金を失いスピードも早くなってしまうのが、海外FXのリスクです。
まとめ
海外FX業者を利用する上で知っておくべきリスクには
- 海外FX業者の倒産リスク
- 悪質な海外FX業者を利用してしまうリスク
- ハイレバレッジで損をしてしまうリスク
があります。
また、リスクと言えないまでも知っておくべきでメリットには
- 税金の負担が大きい
- 送金の手数料負担が大きい
というものがあります。

海外FX業者でのFXトレードには、メリットも大きい反面、国内FX業者にはないリスクやでメリットが存在します。
しっかりと理解した上で、海外FXトレードをはじめましょう。